その目のきらめきを、俺はこっそりと見た。

もう、目が離せない。
視線が合うと逃げだしたくなるのに、その目をずっと見つめていたい。
もっと見ていたい。
気持ちがあふれ出して、我慢できなくなる。

「俺も、クリスマスプレゼント、ほしいな」
「ああ、そうだね、ごめんね。えっとじゃあ、どうしよう。準備したらまた連絡す……」

彼女の言葉が途切れたのは、俺が胸の中に、その体ごと押し込んだから。
冷え切ったその体を温めるように、俺はぎゅっと強く、彼女の体を包み込んだ。
温めるはずなのに、俺の体の方がどんどん暖かくなってくる。
ひんやりとした耳の骨格を、思いがけず触れた唇が撫でたがった。

「か、勝見君?」

少し上ずった彼女の声が、胸元から聞こえてくる。
震えるその声が、もっと聴きたい。

「これがいい」
「え?」
「プレゼント、これがいい」

__おれ、どうかしちゃったかな?

こんなシチュエーションも、こんなセリフも、俺には似合わないのに。
あふれだす気持ちが、止まらない。

もう少しだけ腕に力をこめて、彼女をさらに抱き寄せた。
すると、俺の腰のあたりに、柔らかな力が巻き付いてくるのがわかった。

「ずるいなあ、勝見君は」

胸元から聞こえるくぐもった彼女の声は、やっぱりどこか楽しそうだった。
そしてその腕にも、さらに力がこめられる。
その儚げな力が、愛おしくてたまらなかった。
胸に預けられた頭の重みが心地良い。