「それって、あいつからの、お土産?」
「園田君、知ってるんだ? ああ、そうだよね。一緒に送別会、行ったんだもんね」
「う、うん、まあ。それに、僕が坂井さんの家まで送ったから」
「そうだったんだ。ちなみにそれって、日付が変わる前だった?」

彼女は悪戯っぽく、そう園田に聞いた。
その質問に、体がピクリと反応する。

「え? あー……どうだったかな。ぎりぎりだったかな」

とあやふやに答える園田に、

__全然余裕だったろ、バカヤロー。

なんて心の中で舌打ちをした。

「そっか」

彼女の小さな相槌の中に、またしゃららんと鈴の音が混ざる。

「ずるいなあ、勝見君は」

明るくそう言う彼女の声は震えていた。