ようやくボールに追いついたのは、ボールが校舎の角で止まってからだった。
そっとボールを拾い上げようとしたとき、聞き慣れた声が、建物の向こう側から聞こえてきた。
「僕じゃ、だめかな」
その声に、俺の体はびくりと反応して、そのまま固まった。
固まった体でふっと視線だけを声の方に向けた。
俺の目の前で、スカートがひらひらとはためいている。
その合間から見えた人影に、目を見張った。
そこにいたのは、緊張した面持ちの園田と、後ろ姿の女子。
その後ろ姿が誰かなんて、顔を見なくてもわかる。
それは、坂井さんだ。
咄嗟に校舎の陰に隠れた。
手で口元を覆って、呼吸音が漏れないようにした。
つばをごくりと飲みながら、俺はその言葉の続きを、大きくなる心臓の音と共に聞いた。
「僕が、坂井さんの隣にいちゃ、だめかな?」
そっとボールを拾い上げようとしたとき、聞き慣れた声が、建物の向こう側から聞こえてきた。
「僕じゃ、だめかな」
その声に、俺の体はびくりと反応して、そのまま固まった。
固まった体でふっと視線だけを声の方に向けた。
俺の目の前で、スカートがひらひらとはためいている。
その合間から見えた人影に、目を見張った。
そこにいたのは、緊張した面持ちの園田と、後ろ姿の女子。
その後ろ姿が誰かなんて、顔を見なくてもわかる。
それは、坂井さんだ。
咄嗟に校舎の陰に隠れた。
手で口元を覆って、呼吸音が漏れないようにした。
つばをごくりと飲みながら、俺はその言葉の続きを、大きくなる心臓の音と共に聞いた。
「僕が、坂井さんの隣にいちゃ、だめかな?」