空を見上げると、すがすがしい青空が広がっていた。
まだ二月のはじめだというのに、もうすっかり春と錯覚してしまうような青空だ。
だけど吹く風は、まだまだ冷たい。
春を迎えるために、もう一度寒さが押し寄せてくるのだろう。
それが通り過ぎれば、本当の春だ。
桜が咲き誇って、冷たさを残した春風がその桜の花びらを澄んだ青空に彩らせるのだろう。
そんな季節を、俺は待つことなく出発する。