この空気は俺には合わない。雰囲気も合わない。
そう判断した俺は、誘ってくれた彼に苦笑いを返し、そそくさとカフェを出た。

もうあのカフェに行くことはないだろう。
そう思っていた。
それなのに、俺はあの語学カフェでバイトをすることになった。

語学カフェでイベントをするのにスタッフが足りないから数日だけ助っ人に来てほしいと言われたからだ。
はじめはもちろん断った。
もうあのカフェに行くつもりはなかったし、そもそも英語のできない俺にイベントの手伝いなんて無理だと思ったからだ。
だけど話を聞くと、イベントの手伝いと言っても裏方の仕事だし、英語なんて使わないから問題ない。
何より、一緒に働く外国人講師たちはコミュニケーション能力に差はあれど、日本語が話せる。
時々そのサポートに回るだけでいいとのことだった。
それなら数日のことだし、俺は手伝いに行くことにした。