「はあ……」

ため息が止まらない。
もうどれくらい止まってないのだろう。
もう二学期が終わろうとしているのに。

__「意識、して」

確かにそう言ってしまった日以来、僕は坂井さんとあまり、いやまったく話さなくなった。
せっかく文化祭の準備がきっかけで、ぐっと距離が縮まったと思ったのに。
これからは用がなくても日常的に話せるようになると思ったのに。
僕は、なんてことを言ってしまったんだ。

意識してほしいのは間違いないのに、「意識して」と言ってしまったとたん、前みたいに話せなくなった。
それならこのまま、何もないままでよかったのに。
今まで通り、彼女のそばにいられるだけでよかったのに。
行事もあって長く感じた二学期も今日が最終日だ。

そして今日は、クリスマスでもある。
うちの学校は伝統なのか、毎年終業式とクリスマスを重ねてくる。
終業式までが午前中で終わると、僕は自転車で学校の最寄り駅に向かった。
駅の駐輪場に自転車を止めてホームに行くと、そこにはもうすでに懐かしく感じるサッカー部の面々がそろっていた。

二学期最終日、僕たちサッカー部はこのクリスマスの日に、三年生の送別会をする。
それもまた毎年の恒例行事となっていた。