人とあやかしが共生する日本。
双方は、大昔から友好的な関係を築いてきた。
いつからか、双方の間で恋に落ちる者が現れた。
お互いが出会った瞬間に惹かれ合い、身体中の細胞が叫ぶのだという。
彼女でなければ、彼でなければだめだと。
だが、その感じ方は、個人によって違った。
体中に電気が走った感覚、心臓が鷲掴みされたような感覚など、様々。
それは出会った者にしか、分からない。
しかし、簡単に出会えるものではない。
巡り会えるのは、ほんの一握りの人間とあやかしだけ。
そしてそれはいつの日か、こう呼ばれるようになった。
運命の番──。