「そういう奴、放って置けないんだろ？だからいつもここに居たんだろ？酔った俺をシカト出来なかったんだよな」

「……」

「だったら今日の俺はヘーキ。1ミリも飲んでねぇから、何も問題はない」

「……」

「他当たってやってよ。他に手がかかる奴なんて沢山居るだろうし」


そして、ジロリとこちらへ目を向ける彼は、


「酔って無い俺とここに居る事は、ハルキにとって無意味だ」


そう、蔑む様に言って、笑った。

私をそんな目で見て、笑った。


「む、無意味って、そんな事、」

「そういう事だろ？」


彼は断ち切るように立ち上がった。これで終わりだと、その視線は先へと、大通りへと向けられている。

…分からない。あめさんの事が、本当に分からない。彼が何を訴えたいのかが分からない。


私にとって無意味？そんな事は一切ない。とても大きな意味があるって、私は思う。もうほとんどあめさんの事で私の中は一杯なのに、そう思う私の気持ちは、あめさんには届かないのだろうか。


…でも、そう言われるって事は、今までも届いていなかったという事だ。今更何を言っても届く気がしない…


諦めかけた私の気持ちを後押しするかのように、彼は言い切る。


「やっぱり違うから」

「…違うって、何が？」

「俺とハルキの捉え方」

「そ、そりゃあ違いも出ますよ！どうしても他人なんだから仕方無いじゃないですか」

「うん、知ってる」