「こんばんは、あめさん」
この挨拶で、私の好きないつもの時間が始まる。
例え週2回程だとしても、なんでだろう。あめさんとはいつも会ってるような感覚がある。あめさんとの時間が濃いから?それとも、日に日に距離が縮まっているように感じるから?
何にしろ、私があめさんとの時間を楽しみにしてる事には変わり無い。
「あ、ハルキ。今日もご苦労様ですね」
ヘラヘラ笑いながら言う彼を見て、今日も絶好調だなと、つい苦笑いを浮かべた。
酔っていない彼に会ったのを、今では遠い昔の事のように感じる。それくらいにあめさんはいつも酔っ払っているけれど、これって私が居ない時もなのかな。
そういえばこの間、ミトさんが言っていたあめさんが悩んでるって話。それと酔ってる事は、関わりがあるのかな。
「…あめさん」
「ん?」
「あの、とっても今更なんですけど、聞きたい事がありまして」
「いーよ、何ー?」
「…あの、何て言うか…あめさんって、いつもこんな感じなんですか?」
「?こんな感じ?」
「だからその…ほら、いつもここで会うでしょ?酔っ払いあめさんに」
「そうねー」
「それって、私が居ない時でもこうやってここに居るのかなぁ?って」
機嫌を損ねる場合もある為、遠慮がちに尋ねる事に。怒るかなと、チラリと様子を伺うと、彼はまさか!と、驚いているようだった。
…そうだよなぁ。いくら夏だとしても、いくら酔っ払いでも、いつもこんな所に居る訳はないよね。