…ん?

いや、酔っ払っている彼の言う事を真に受けてはいけない。


「何言ってるんですか。じゃあすみません、私はこれで」

「俺も行くってば」


スルーしようとした私を責めるように、とっても不満気な表情で見詰めてくるあめさん。でも本当に、今日は他にも人が居るし、車で来ているはずなのに何を言っているんだろう。


「私、歩きなんですよ。あめさん今日も酔っ払ってますよね?歩け無いでしょ?」

「歩けるよ」

「でも何かあった時私には支えられないですし…ミトさんが折角送ってくれるんだから、乗っていった方が良いですよ。ねぇミトさん?」

「ん?あぁ、もちろん。つーかまじでハルキちゃんも乗ってきなよ」

「いえ、私は大丈夫です。ありがとうございます」

「…そうですか」

「だからあめさん、早く乗って下さい」

「嫌」

「我が儘言わないで下さいよ」

「嫌」

「ほら、ミトさんにも悪いじゃないですか」

「じゃあミト、帰っていいから」

「ちょっ、そうじゃないでしょう!」

「嫌」

「あめさん!」

「いーやー」


一切話を聞きそうもないあめさん…何を言っても駄目そうだ。今日のあめさんは思ったより酔っているのかもしれない。