謝りに来てくれたあめさん。
わざわざお礼を言ってくれたあめさん。
私の言葉を聞いて、笑顔で受け入れてくれたあめさん。
彼の事は分からないまま。でも、私が知ってる彼はどんどん増えていってる…そう、私は思うんだけどな。
もしかしたら、相手を知るって事には、年齢も、職業も、住んでる場所も、大した問題じゃないのかもしれない。もっと大事な部分ってあるはず。私の言葉に、あんな反応を返したあめさんの場合は、特に。
あめさんの目で見えている物、あめさんが持つ価値観を、私はもっと知りたい。
「…て、思うんだけど…」
私は、あった出来事に思った事、全部をユイに話した。
『アイツとはどうだったの?あれから会った?話聞いた?』
まさか、会った瞬間聞かれるとは。私が思っていた以上に彼女は気にかけてくれていたらしい。だから、あめさんは信用出来る人だと思うし、私はあめさんと仲良くなりたいんだよ、という事を伝えようとした。
…だけど彼女は、まだ納得いかないらしい。
「でもさ、よく考えてみて」
「うん」
「それってハルキの話ばっかりで、その人の話は聞けてなくない?」
「……」
ん?あめさんの話を聞けてない…?
「だって、ハルキが自分の世話焼きな話をしたってだけでしょ?結局向こうは自分の事言って無いんじゃない?」
「……あ!」
ほ、本当だ!!