一体何を、誰に?と、彼に疑問の視線を送ると、「君になんだけど」と、呆れたように返された。


「…私?」

「そう」

「私ですか?」

「そう。ハルキ」

「え、わ、」

「やっぱ違うかも」

「えぇ?」


何が何やらと慌てふためくと、彼はニヤリと笑って、「うっそー」なんて言う。その姿は私のよく知るあめさんの物と似ていて、ホッと胸を撫で下ろした。なんだ、ただ遊ばれただけなのかと。

…けれど、直ぐにその笑顔は彼の顔から姿を消して、またなんだか、ちょっと近寄りがたい感じになる。…なんだろう。

あめさんはあめさんで間違いない。でも何かが違うように感じるし、それなのにどこかで見た事あるような気もする。その引っ掛かりに私は身に覚えがあった。


「あの、あめさん。一つ聞いても言いですか?」

「はい、どうぞ」

「あの…なんて言うか、」

「?」

「あれだったらいいんですけど…」

「…何?」

「あの…いつもと……違いません?」

「……」


すると、十分配慮して言った私の問いに、何故か罰の悪そうな表情を浮かべるあめさん。


「あー」

「?」

「まぁ、気付いてもらえて良かったのか悪かったのか」