「なんか最近のハルキさぁ、凄い楽しそうなんだけど」
そう私に言ったのは、バイト先の同い年、ユイ。
ユイは同じ学校に通っている子で…うん、所謂モテ女です。彼女を表す言葉といったらそれが一番に決まってる。
"人生を楽しむには、努力を惜しんではいけない”
これが彼女のモットー。だから彼女は誰よりも自分磨きに手を抜かないし、誰よりも人生を楽しむ事が上手だと思う。それってもう一種の特技だよね。そんな彼女を、私は人生の先輩として見ている。
「楽しそう?私が?」
彼女の質問に聞き返すと、「そうでしょ?そんなニオイがする」と、楽しむ事のエキスパートは自信有り気に言い切った。
「なんかね、特にバイトの時って感じ。何?良い客でも居た?」
妙に目を輝かせて言う彼女は鋭い。確かに最近の私は他の人にバレるくらいに、バイトの日、ワクワクしてると思う。浮かれている自覚がある。