「いつからここに居るんですか?」

「…さっき来たばっか」

「なのに寝てたんですか?」

「すげぇ眠い」

「……そうですか」


すると、思い出したかのようにまた寝る体制に入り始めるあめさんに、「ちょっと、ダメですよ!」と、急いで声を掛けるも、目はもう閉じ始めている。このままじゃまた眠ってしまうのも時間の問題だ。とりあえず早く家に帰らせる必要がある。


「あめさん」

「…はーい」

「家の場所は分かりますか?」

「…もちろーん」

「お金はありますか?」

「当然」

「じゃあ帰りましょう」


しっかり返って来た返事に安堵しつつ、私は彼に立ち上がるよう促すが…


「怠ぃ」


全っ然、立ち上がる素振りを見せようとしない。


「ちょっとあめさん!ダメですよ、帰りますよ!」

「いい。俺まだ帰んないから」

「え、じゃあどうするんですか?」

「まず、もう一眠りする」

「一眠りって!そんなの朝まで爆睡コースに決まってるじゃないですか!」

「だったらそれでいー」