促されるように見た外の景色は、いつもの見慣れたアパートの前。我が家に到着だ。

だから毎回、何故こうもタイミングがいいのだろうと、つい、小さな溜息を一つ。

きっと教えてくれる気はないという意味なんだろうな。どうせ全ては計算されているんだ。


諦めた私は、お礼を言って車を降りた。


「すぐに分かるよ」


その言葉を残して、彼は去って行く。

意味分からないけれど、彼が言うならきっとそうなのだろう。

『すぐってどれくらいですか?』私は心の中でそっと尋ねた。



ーーそしてそれから数日後のこと。


バイトを終えて窓から外を見ると、思った以上に雨が降っていた。珍しいな、と思いながら、この雨をあの日の光景と重ねて見る。


そうだ、あの日も雨が降ってたっけ――


私はあの雨の日を、ずっと待っている。