誰が始めにこの案を出したのか、誰がこれに関わっているのか、誰が悪いのかなんて、それを細かく責めるつもりは無かった。


「あめさん」

「…何」

「そんな顔、しないで下さい」


だってあめさんも、ミトさんも、アサヒさんも、みんな悩んで、立ち向かっている。助けてほしいと思いながら足掻いているのだと、目の前の彼の表情を見て思う。私はそんな顔に弱い。私はそんな彼らをみんなまとめて助けたい。


「あめさんだって、独りじゃないです」


私がそう言うと、あめさんの瞳は驚きを表して大きく見開かれ――そして、柔らかな嬉しそう笑顔へと変えられた。


「ハルキ」

「はい?」

「何言われたか知らないけど…悪いけど、アイツらにやる気は無いよ」

「…はい?」


身を乗り出したあめさんが、じっと私の目を見つめる。


「俺のハルキちゃん、だからね」


忘れないでと、それはあめさんから私への、お願い事だった。