何故なのかなんて分からないけれど、それからというもの、彼らはよく店に訪れるようになった。
毎回予約した時間にちゃんと来てガッツリ飲み食いする彼らは、店長への挨拶もしっかりと欠かさない。今では常連客としてすっかり店長のお気に入りになっているくらいだ。
私も彼らが来てくれるのは嬉しいし楽しい。でも一つだけ、不満というか、寂しい事がある。
それはあの場所にあめさんが来てくれなくなってしまった事。私とあめさんは最近、あの場所で話をしていない。それがすごく寂しかった。
でも、二人で会っているだけでは分からなかった事もある。
毎回皆と話をする度に、私が知ってるあめさんの情報がどんどん増えている。誕生日とか、出身地とか、そういうハッキリとした事ではないのだけれど、なんというか…中身?普段のあめさんの事とか。こうゆうのはきっと、二人で話しているだけだったら分からなかっただろうなと思うのだ。
だから、これはこれで良かったんだと、前向きになってみるしかない。そう思うようにしている。
ーーその日も、いつも通りに予約時間にやって来た彼らを迎えいれた。