どこから仕入れたのか知らないけれど、私が世話好きというのは本当の事だ。

でもそれが、なんでそんなに嬉しそうな事に繋がるのか…だってこの表情だ。なんかすっごく楽しそうだし嬉しそう。私が世話好きが本当で何が嬉しいんだか分からないけれど。

彼の大袈裟にも思える反応に、私が多少引いた所で、


「じゃあ俺もここ来よ!俺にもお世話してよ、ハルキちゃん!」


金田さんが喜んでいた理由を告げ、あ、なるほどと私が納得した、その時だった。


「だめ、俺の」


その声が、辺りを一瞬にして静まりかえらせた――そんな、感覚に陥った。


妙に落ち着いた、低い声。辺りに、身体に、響き渡ったその声。その声が、周囲に告げる。


「ハルキは俺のだからだめ。なぁ?ハルキ」


吸い寄せられるような強い瞳が私に向けられた。



…私があめさんを突き放す日は来るのだろうか。


その答えは分かりきっていると、私は頷きながら思う。

きっと私は、あめさんの全てを受け入れられるんだ。