金田さんは、私とあめさんを交互に見てそう言った。


…お母さん。私があめさんの、お母さん。可愛いあめさんの…なんだろう。なんかちょっと、嬉しい。


「…ハルキちゃん?」

「ふふ」

「ハルキちゃん?」

「あ、え?はい?」


ミトさんの声かけに「何ですか?」と口に出した私は、どうやらかなり浮かれた様子だったらしい。

だってミトさん、一瞬うわ…って顔をした。私は見逃さなかった。でも流石ミトさん。一瞬にしていつものあの作った笑顔を張り付かせて言う。


「なんか気にしてないみたいだからいいや」

「…はい?」

「いや、こっちのハナシ」

「?」


そう言って、ミトさんは笑顔を貼付けたまま動かなくなった。それが表す意味は、この話は終わりだ、という事なのだろうなと思う。

なんだろなぁとぼんやり思っていると、次に私の耳に入ってきたのは金田さんの大きな笑い声。どこか興奮している様にも見えるほど、彼は楽しそう。


「すげぇ、ホントだったんだな!」

「何がですか?」

「世話好きってヤツ、あれマジだな!」

「ん?それは…私?」

「もちろん!そうだろ?そうだよな!」

「……」