「どれ?どいつ?」

「金髪の人…」

「え、嘘。アレ?あの人?」


最終確認をする彼女に大きく頷くと、「そうかぁ、そうゆう事かぁ」と、彼女は呟く。


「てことはよ?ハルキ」

「ん?」

「しっかり接客しないとね」

「……んん?」


イマイチ理解が出来ない私に、彼女はため息をつきつつ、教えてくれる。


「折角のチャンスじゃない、しっかりしないと!次いつ会えるかわかんないんでしょ?」


……あぁ、なるほど!


「気持ち、気合いを入れてみます!」


そうだ、今日だって大切にしなければ!


絶対変わらない事なんてない。それは前回よく学んだ。自分と相手だけではなくて、その相手の更に向こうにもずっと人との輪は繋がっているのだから、人の全てを把握するという事はそう簡単な事ではない。

だからこそ、今その時を大事にしていかなければならないのだと、どれだけ相手の中に残れるかが重要なんだと、気が付いた。


だから私はこの後もずっとタイミングをはかっていた。何かあった時にはすぐち自分が行けるようにしようと思って。

でも、そういう時に限って忙しい…私だけ。なぜか私だけ。しかも私が上手くいかなくて悔しく思っているのに、ユイはバッチリタイミングが合っていて、戻ってくる度にヤバイヤバイと口にする。カッコイイと口にする。そんなユイを見て焦りを感じた私が、居たりする。


…焦り?なんで?あぁ、私が行かなきゃと思ってるのに行けない!って事だよね?

……私、焦ってる?