「……え?」
その言葉に、私を襲ったのは不快感。
なんで?なんでその人は私の事を知ったように話すの?その人は何のつもりなの?
黒い気持ちが渦巻く私に、拍車をかけるような話を、あめさんは続ける。
「俺はハルキの為にもなれないけど、自分にはまだ俺が必要だって」
「…そんな…」
「そうゆう約束だっただろって、アイツは俺にそう言って…目の前で、初めて泣いたんだ」
…私は、言ってやるつもりだった。
そんな事無い!なんで私の事を知りもしない人にそんな事言われなきゃならないの?私はそんな事一度も思った事は無いのに!
その人は絶対何か企んでいるのだと、当然頭に来たし、言いたい事は沢山あった。沢山あった…はずなのに、あめさんのその言葉で、私は何も言えなくなった。今までそんな気はしていたけど、私は確信を得てしまったから。
さっきから出てくる "アイツ”。
放っておけない奴。
それは――女の人。
気が付いた瞬間、その事実が、私に大きくのしかかった。先程感じたあの嫌な感じ、それはこれを感じ取っていたのかもしれない。