「だからまた、気が向いたらで良いんです。力になれればなんて、大層な事は思っていません。ただ、私の為にまた会って欲しいんです」


あめさんに意味が無い訳が無い。会ってからずっと、私の中にはあめさんの存在がある。

やっぱり、私にとってのあの時の答えはコレしかない。あめさんがどう思おうと、私にはコレしか言えない。


「あめさんの代わりなんて、私には居ません」


決意して告げた答え。私の今、伝えたかった想いはそれで、その時の私の手は小さく震えていた。そんな頼りない自分の手をギュッと握りしめて、穴が空くほど見つめる。

上手く話せていただろうか。そんな事も分からない程に、私はただ夢中になって話していた。その時その時で思い付いた事をツラツラと述べていた気がする。

ちゃんと伝わっている自信は無い…だって、あめさんからの返事が無い。あめさんは私の目の前で静かに座ったまま、何か思案しているようだった。そんなあめさんからの返事を、私は黙って待っていた。

絶対に返事は来ると、不安な気持ちをおさえながら、自分に言い聞かせて。


「…ねぇ、聞きたい事があるんだ」


あめさんは、俯いたまま呟いた。