決まった曜日なんて無い。
連絡先を知っている訳でも無い。

でもただ一つ、私が彼について知ってる事。


――24時を回った頃、彼は現れる。


それだけが私と彼を繋ぐ事実である。

そう。つまり、これだけ会っているのに私は彼の名前すら知らない。

でも私は、彼を "あめさん”と呼ぶ。


一体なぜそう呼ぶ事になったのか、そのきっかけは出会った頃に遡る。

あの日も時刻は24時頃で、人通りの無いあの道だった。


外は、雨が降っていた。