「くそっ、なんだって言うんだ。あまりにも『次の殺人』が早すぎる……!」

 そう言った三鬼が、捜査本部の長テーブルを叩いたのは午後四時の事だった。テーブルの上に並べられた写真や資料、誰の物かも分からない紙コップがその振動に揺れて中身の珈琲に波紋を描いた。

 椅子の用意もないそのテーブルには、小楠と三鬼と藤堂の三人が立っていた。室内に残って作業する捜査員たちの中には、他の部署からかき集められたメンバーもいて、今は判明のついた不良メンバーの捜索と、第四の殺人現場に大忙しだった。

 先に緊急会議をすませた他の捜査員たちと入れ違いに、三鬼と藤堂は県警本部に戻って来ていた。二人は四件目の殺人を電話で聞いていたものの、小楠から直に詳細を説明されて、三鬼は怒りに震えて「早すぎる」とテーブルを叩いたのだ。

「今、現場からの画像を待っています」
「分かった」

 パソコンの前に座っている女性捜査員の報告を受けて、小楠は厳しい表情をテーブルへと戻した。