真由は彼に続いて車に乗り込みながら、暑い日差しと熱気の中、彼がきっちりとスーツを着込んでいる事が信じられないと思った。こちらは丈の短いスーツのジャケットだが、その下で既にシャツに汗が滲むのを感じていて、脱ぎたくてたまらなかった。
冷房がかけられた車内は、数十秒ほどで冷え始めた。満足そうに駄菓子の入った袋を脇に置いて、宮橋がこう言った。
「有力な情報を得たな、金髪頭の死体はまだ出ていない。彼が集団のリーダーである可能性と、真面目な学生の一人が餌食になっている推測も、なかなか信憑性を帯びてきた」
「だからって、お菓子を買う事はないのに……」
「君は、これがどれだけ美味いのか知らないようだな。ははは、実はそう言うと思って、君の分も買っておいた」
流れるような動作で「これが君の分だ」と差し出され、真由は宮橋からチョコバーのお菓子を受け取ってしまっていた。それをしっかり目に留めて、わずかに眉根を寄せる。
冷房がかけられた車内は、数十秒ほどで冷え始めた。満足そうに駄菓子の入った袋を脇に置いて、宮橋がこう言った。
「有力な情報を得たな、金髪頭の死体はまだ出ていない。彼が集団のリーダーである可能性と、真面目な学生の一人が餌食になっている推測も、なかなか信憑性を帯びてきた」
「だからって、お菓子を買う事はないのに……」
「君は、これがどれだけ美味いのか知らないようだな。ははは、実はそう言うと思って、君の分も買っておいた」
流れるような動作で「これが君の分だ」と差し出され、真由は宮橋からチョコバーのお菓子を受け取ってしまっていた。それをしっかり目に留めて、わずかに眉根を寄せる。