というか、乙女の膝の上を平気で覗き込むなんて、普通やらないような……

 真由は、どうしてか、いつものタイトスカートが気になってきた。少しゆとりがある物だったので、恐らくあまり足の形は出ていないはずだけれど、と普段は微塵にも思わない事を考えてしまう。

「先の二名の被害者共に、金回りが良かったみたいだな。時々カツアゲするくらいじゃ、こんな頻繁には遊んでいられないんじゃないか?」
『お前が言いたい事は分かってる。金を持っている特定の人間を恐喝、暴行しているんだろうと踏んで、俺たちも聞きとり調査を進めているところだ。第一の犯行が行われる直前にも会っていた可能性はあるし、そいつにも話が訊けたらいいんだがな』
「人物が特定出来たら、すぐに連絡をくれ。それと例の不良メンバーは、判明次第に身柄を保護しろ。僕の予想が正しければ、次に死ぬのは、そいつらのうちの誰かだぞ」

 宮橋は断言すると、返事も待たずに携帯電話を胸ポケットにしまった。顔を上げかけて、ふと、同じ目線の高さから真由と見つめ合い怪訝な表情をする。