「物音は何一つなかった、と弟は証言している。第三者がいる気配はまるでなかったそうだ。今のところ、外部からの侵入形跡も発見されていない」
宮橋は「なるほどねぇ」と、どこか面白そうに口角を引き上げて、小楠を見つめ返した。
「『無音状態』が発生したとしたら、君たちが気付ける可能性は極めて低い。とはいえ、母親が一人家に残された状態で、犯人が巧妙に侵入して殺したとも考えられるわけだから、その事件が本当に『奇怪なモノ』であると判断するにしては、上の連中が納得しないだろうくらいに早すぎる」
真由には、前半の言葉がよく分からなかった。けれど、小楠が疑問の声も上げず話を聞いているので、ひとまず黙っている事にした。出会い頭に、宮橋から余計な質問はするなと言われた事を、思い出していたからでもある。
「けれど、事件発覚二日目にして、こうして僕のところに来たという事は、上の連中が判断を後押しする何かがあった、と見て取っていいのかな?」
宮橋は「なるほどねぇ」と、どこか面白そうに口角を引き上げて、小楠を見つめ返した。
「『無音状態』が発生したとしたら、君たちが気付ける可能性は極めて低い。とはいえ、母親が一人家に残された状態で、犯人が巧妙に侵入して殺したとも考えられるわけだから、その事件が本当に『奇怪なモノ』であると判断するにしては、上の連中が納得しないだろうくらいに早すぎる」
真由には、前半の言葉がよく分からなかった。けれど、小楠が疑問の声も上げず話を聞いているので、ひとまず黙っている事にした。出会い頭に、宮橋から余計な質問はするなと言われた事を、思い出していたからでもある。
「けれど、事件発覚二日目にして、こうして僕のところに来たという事は、上の連中が判断を後押しする何かがあった、と見て取っていいのかな?」