「鍵はかかっていないみたいですけど、勝手に入るのも悪いからって、こうやって待機しているわけです。昨日は結局、少し話しただけですぐに捜査に入ってしまって、机と椅子もまだないみたいなんです」
「別に、勝手に入ったって問題ねぇだろ。物に埋もれて見えにくいが、確か二人掛けソファとテーブルだってある。そっちに配属されてんだから、堂々としてりゃいいんだよ」
その時、真由はぽつりと口を開いた。小さな声が聞き取れなくて、顔を顰めた三鬼が手を添えて頭を傾ける。
「…………だって私、まだ正式な配属じゃないもん……」
彼女は足の上に置いた缶珈琲を握り締めて、もう一度そう言った。勝手に入って当然のように居座っているとは何事だ、と指摘されて追い出されるのではないか、と嫌な方に想像が向いて勝手に落ち込んでしまう。
実はその件に関して、同じように帰宅しなかった小楠が、先に確認してくれるとのことで一緒にいた早朝時に、宮橋本人に電話を掛けてくれたのだ。そうしたら、留守電は解除されていたものの、話しを切り出す前に「朝食中だ」と切られてしまっていた。
「別に、勝手に入ったって問題ねぇだろ。物に埋もれて見えにくいが、確か二人掛けソファとテーブルだってある。そっちに配属されてんだから、堂々としてりゃいいんだよ」
その時、真由はぽつりと口を開いた。小さな声が聞き取れなくて、顔を顰めた三鬼が手を添えて頭を傾ける。
「…………だって私、まだ正式な配属じゃないもん……」
彼女は足の上に置いた缶珈琲を握り締めて、もう一度そう言った。勝手に入って当然のように居座っているとは何事だ、と指摘されて追い出されるのではないか、と嫌な方に想像が向いて勝手に落ち込んでしまう。
実はその件に関して、同じように帰宅しなかった小楠が、先に確認してくれるとのことで一緒にいた早朝時に、宮橋本人に電話を掛けてくれたのだ。そうしたら、留守電は解除されていたものの、話しを切り出す前に「朝食中だ」と切られてしまっていた。