「ただ、あいつはすぐに抜けてしまったからな。パートナーの件については、少し話を聞きたかったんだが…………」

 その悩ましげな独白を聞いて、真由はたびたび考えていた不安が込み上げた。宮橋自身が相棒を持つことには否定的で、組まされても長続きしなかったという話は覚えている。

 役に立ちたいと感じたばかりだ。戦力外通告のようにクビを言い渡されて、相棒でいられなくなったらと想像すると胸が苦しくなった。

「小楠警部、翌日にパートナーを解消させられた人もいるんですか……?」

 つい、真由は尋ねてしまっていた。

 こちらを見た小楠が、難しそうな表情を浮かべて黙り込む。その様子にはあったらしい事が察せられて、続いてチラリと藤堂に目を向けてみると、「俺が見た中では、三日とかだったような?」と首を捻り、記憶は定かではないようだった。

 すると小楠が、そこで深い溜息を吐いた。

「実をいうと、当日で提案を蹴られるのがだいたいだ。それもあって『L事件特別捜査係』では、新人はまず仮の所属という扱いになっている」