「あの、智久君は……?」
真由は、もやもやとした気持ちを一旦抑えて、話を訊こうとしてずっと待っていた藤堂に尋ねた。珈琲を少し口にした彼が、複雑そうな表情を浮かべて廊下に視線を落とす。
「奥の部屋に案内したんですけど、今後の流れの説明を受けている間も、とても落ち着いていました。ハンバーグをありがとうございましたって、お礼を言って」
少し言葉が続かない様子で、藤堂が廊下の奥へと視線を流し向ける。
真由は、手元の缶コーヒーを見下ろして、意味もなく指先で水滴を拭った。数時間前のことを思い出して、口を開いた。
「ハンバーグ、美味しそうに食べていましたね。宮橋さんに言われていたのに、私、うっかり確認するみたいに尋ねてしまって、ごめんなさい……」
「まぁ、ちょっと驚きました。でも、橋端さんが尋ねていなかったら、俺だって確認していたかもしれません。とても、殺人の実行犯には見えなくて」
同じことを思い返すような表情で、藤堂は言った。
真由は、もやもやとした気持ちを一旦抑えて、話を訊こうとしてずっと待っていた藤堂に尋ねた。珈琲を少し口にした彼が、複雑そうな表情を浮かべて廊下に視線を落とす。
「奥の部屋に案内したんですけど、今後の流れの説明を受けている間も、とても落ち着いていました。ハンバーグをありがとうございましたって、お礼を言って」
少し言葉が続かない様子で、藤堂が廊下の奥へと視線を流し向ける。
真由は、手元の缶コーヒーを見下ろして、意味もなく指先で水滴を拭った。数時間前のことを思い出して、口を開いた。
「ハンバーグ、美味しそうに食べていましたね。宮橋さんに言われていたのに、私、うっかり確認するみたいに尋ねてしまって、ごめんなさい……」
「まぁ、ちょっと驚きました。でも、橋端さんが尋ねていなかったら、俺だって確認していたかもしれません。とても、殺人の実行犯には見えなくて」
同じことを思い返すような表情で、藤堂は言った。