「一日で色々と分かるくらい、ひどい人間だったって事さ」

 宮橋はそっけなく言い放つと、「たかがバラバラなんてどうでもいい」と椅子の背にもたれた。

 それを聞いた小楠が、「たかがじゃない、バラバラだ」と死体の状況を強調して言った。

「それにな、宮橋。彼はまだ十六歳だった。じゅうぶん更生の時間はあったんだ」
「でも、殺された。それで、二番目の死体も同じだったのかい?」

 宮橋は興味もなく次の質問を投じた。

 不安な様子で真由が視線を向けると、小楠は長い付き合いからの言い合いを止めて、こう続けた。

「うむ。二番目の被害者は、一番目の被害者をバイクの後ろに乗せていたという、同高校の西盛晃だ。学校を欠席していた彼に事情を聴くため、三鬼たちが自宅に向かったが、自分の部屋に閉じこもったきり出て来ないとの事でな。彼の部屋を尋ねたが反応がなく、蹴やぶってみると――」

 三鬼たちのすぐあとに現場へ急行していた小楠は、そのときを思い出して表情を曇らせた。宮橋が冷静な顔で「つまり」と、話の先を促すように言った。