パトカーの運転席は、無人だった。
こちらの上を飛び越えた車体は、宮橋とマサルに迫りくる暴走車目掛けて、まるでタイミングでも合わせたかのように真っ直ぐ突っ込んでいく。
「おいいいいいッ!? なんでパトカーが降ってくんだよ!」
「つか先輩、うちのパトカー無人車です!」
「ついでに言うと対向車も無人だよ!? どうなってんの!?」
真由は思わず叫んだが、宮橋が動くのを見て「え」と固まった。
まるで枕でも持つように、彼がマサルをむんず掴む。そして次の瞬間、有無も言わさずに、こちらに向かって思い切り放り投げてきた。
「うぎゃぁぁぁああああ!」
少年の全く色気のない悲鳴がこだました。真由と藤堂が「えぇぇぇぇ!」「扱いが雑すぎッ」とほぼ同時に叫ぶ中、三鬼が反射的に足を踏ん張って、マサルを受け止めるため両腕を開いて身構えた。
一人その場に残された宮橋が、素早く身を屈めた。その頭上を、無人のパトカーが飛び越えていったタイミングで、マサルの身体は三鬼の胸板に直撃していた。
こちらの上を飛び越えた車体は、宮橋とマサルに迫りくる暴走車目掛けて、まるでタイミングでも合わせたかのように真っ直ぐ突っ込んでいく。
「おいいいいいッ!? なんでパトカーが降ってくんだよ!」
「つか先輩、うちのパトカー無人車です!」
「ついでに言うと対向車も無人だよ!? どうなってんの!?」
真由は思わず叫んだが、宮橋が動くのを見て「え」と固まった。
まるで枕でも持つように、彼がマサルをむんず掴む。そして次の瞬間、有無も言わさずに、こちらに向かって思い切り放り投げてきた。
「うぎゃぁぁぁああああ!」
少年の全く色気のない悲鳴がこだました。真由と藤堂が「えぇぇぇぇ!」「扱いが雑すぎッ」とほぼ同時に叫ぶ中、三鬼が反射的に足を踏ん張って、マサルを受け止めるため両腕を開いて身構えた。
一人その場に残された宮橋が、素早く身を屈めた。その頭上を、無人のパトカーが飛び越えていったタイミングで、マサルの身体は三鬼の胸板に直撃していた。