「そこで止まれ!」
その制止の声を聞いた途端、先頭にいた三鬼が、咄嗟に手を横に伸ばして足を踏ん張って急停止した。遅れて道を曲がった真由と藤堂が、その腕に突っ込んで「いたぁ!?」「いてっ」と強制的に足が止まる。
この道は、上下に並んで走る国道と、サンサンビルの大通りを繋ぐ抜け道だった。移動時間短縮のためよく使われていて、普段からギリギリの間隔だろうと車が通る小道にもなっていた。
どうしてか、真由たちが踏み込んだ時、その道は人の気配が一切なくなってしまっていた。二台の古びた自転車が、建物の脇に停めてあるだけだ。建物の換気扇が建物の側面についており、下へと伸びたパイプの先から水が滴っている。
日中のむわっとした強い熱気が、立ち込めたままの通りに、三鬼が思わず顔を歪めた。
五十メートル先に見える大通りには、一定の間隔を開けた車が普段通り走っていく様子が見えていた。そちらの排気ガスを乗せた熱風が、ここに流れ込んできている。
その制止の声を聞いた途端、先頭にいた三鬼が、咄嗟に手を横に伸ばして足を踏ん張って急停止した。遅れて道を曲がった真由と藤堂が、その腕に突っ込んで「いたぁ!?」「いてっ」と強制的に足が止まる。
この道は、上下に並んで走る国道と、サンサンビルの大通りを繋ぐ抜け道だった。移動時間短縮のためよく使われていて、普段からギリギリの間隔だろうと車が通る小道にもなっていた。
どうしてか、真由たちが踏み込んだ時、その道は人の気配が一切なくなってしまっていた。二台の古びた自転車が、建物の脇に停めてあるだけだ。建物の換気扇が建物の側面についており、下へと伸びたパイプの先から水が滴っている。
日中のむわっとした強い熱気が、立ち込めたままの通りに、三鬼が思わず顔を歪めた。
五十メートル先に見える大通りには、一定の間隔を開けた車が普段通り走っていく様子が見えていた。そちらの排気ガスを乗せた熱風が、ここに流れ込んできている。