三鬼はかまわず、続けられるであろう宮橋の説明を聞くため、彼に歩み寄った。

「んで、電話で何を話した?」
「自首という形であれば、刑が少しは軽くなるだろう。電話で僕に居場所を明かしたのも、それを約束した結果さ」
「なんだ、自分から居場所を明かしたのか?」

 三鬼が、わざと後輩二人に聞こえるように言って、実に面倒臭ぇなぁという表情でそっぽを向く。

 その時、肩をすくめつつ説明していた宮橋が、不意に真面目な表情に戻した。三鬼が「なんだよ?」と眉間に深く皺を刻むと、その後ろにいた真由と藤堂ではなく、更にその向こう側へ視線を投げてこう告げた。

「話は聞いたな、佐藤ら諸君。僕らは、殺人の容疑者を確保次第、すぐ署に連行させる。保護対象の少年たちに関しては、署にて再保護、および事情聴取だ」

 声を投げかけられてすぐ、事故を起こした大型トラックの影から、周辺の捜索に当たっていた捜査員たちが申し訳なさそうにして出てきた。