通りには、様々な人が入り乱れている状況だった。交通に関しては、先程より流れはスムーズになっている。

 状況を一旦把握し終えたためか、応援に駆け付けた救急車やパトカーのサイレンは鳴り止み、赤いランプだけがクルクルと回っていた。トラックの事故で火が上がらなくて良かったよ、と交番課の何人かが話しながら通り過ぎていったのを、真由はなんとなく思い出してしまう。

「…………藤堂さんは、三鬼さんを追い駆けなくて良かったんですか?」
「『付いて来い』とは合図されませんでしたから。何も指示を出されなかったという事は、すぐに戻ってくるというわけで、なのでこうして待っています」

 そういえば、彼らは二年になるコンビだっけ、と思い返した。宮橋に拒絶されて、後を追う事が出来なかった自分とは、違うんだなと感じたら苦しくなって、真由は携帯電話をギュッと握りしめた。

「パートナーって、難しいですね」

 真由は力なく呟いた。藤堂が首を伸ばすようにしてその横顔を見やり、口元にちょっとした笑を浮かべて視線を前に戻した。