どうにか服を剥がされずに済んだマサルが、死人のような青白い顔で、三鬼の肩越しに宮橋を見やった。パチリと目が合ってすぐ、言わんとしている事に察して怯えを露わに、首を強く横に振った。

「だ、だだ駄目だ……だって電源を入れたら、次に殺されるのは俺だ!」
「そもそも、それこそもう無意味な対策だと思うけれどね。先程だってそうだっただろう。一度、電子機械を通して『招かれて』いるんだから、それを伝ってどこでも出入り口になりうる」

 マサルの表情が恐怖に引き攣る中、宮橋が「さて、出してもらおうか」と携帯電話を渡すよう迫った。

「ごたごたと時間を取られている暇はないからね。君が動かないのなら、そこの老け顔の怖いおじさんに、引き続き服を引き剥がしてもらおうと思う」
「おいコラ、誰がおっさんだ。しかも『老け顔』とか、ざけんなよッ」

 手から力が抜けていた真由と藤堂が「「あ」」と口にした直後、二人から腕を取り返していた三鬼が「てめぇと同じ年齢だろうが!」と、宮橋の胸倉を掴んで揺すっていた。掴まれた彼は「ははは」と、薄ら笑いで応える。