「君は、与魄少年の連絡先を知っているだろう?」
「えっ」
「だって、『普段から連絡を取る係りは君だった』んだろう? 昨日の夜にも、帰宅してから何かしらの連絡をメールでも入れていたはずだ」

 その確信に満ちた発言が聞こえた瞬間、電話を終えた三鬼と、その周りにいた捜査員たちが一斉にマサルへ注意を向けていた。すぐに合流していた真由が、びっくりして宮橋を見上げる。

「それどこ情報ですか? というか、もしかして推理でもしたんですか」
「ただ事実を語ったまでだ」

 真由は、きょとんとしてケンを見つめ続けて言う彼の横顔を目に留め、よく分からなくなって「はぁ」と首を傾げてしまう。

 三鬼が「そうか、その手があったか」と言いながら、宮橋の前に割り込んで「どうなんだ?」と戸惑うマサルに問いかける。

「考えてみりゃあ、お前のポケットの煙草は確認していたが、見当たらなかったからな。てっきり他の連中みたいに、携帯電話は捨てていたと思っていたぜ」