男は一見すると日本人ではないような、西洋人形のように整った顔をしていた。少し癖の入った豊かな薄栗色の髪は、見る者に清潔な印象を与えるようセットされている。
体格は細身で、軟いというよりは引き締まった印象があり、組まれた長い足や座っても高い座高を見ると長身そうだ。扇のような睫毛の下から、透き通るような明るい茶色が真由と小楠を見据えていた。白い肌が高価そうな青いスーツから覗き、黙っていると、繊細な作り物の人形に見えなくもない。
その男は真由に、まるで夢物語から出てきた王子様を思わせた。彼はつい先程まで小説を読んでいたようで、手に持っていた文庫本を、事務机の上に開いたままうつ伏せに置くのが見えた。
なんてキレイな男なのだろう。
真由が呆気に取られて、どこか茫然としていると、彼がこちらの存在に気付いた様子で一瞬沈黙した。彼の顔が、次第に怪訝そうなものに変わっていく。
その時、小楠が先手を打つように、すかさず真由にこう言った。
「真由君、こちらがL事件特別捜査係の宮橋雅兎だ」
体格は細身で、軟いというよりは引き締まった印象があり、組まれた長い足や座っても高い座高を見ると長身そうだ。扇のような睫毛の下から、透き通るような明るい茶色が真由と小楠を見据えていた。白い肌が高価そうな青いスーツから覗き、黙っていると、繊細な作り物の人形に見えなくもない。
その男は真由に、まるで夢物語から出てきた王子様を思わせた。彼はつい先程まで小説を読んでいたようで、手に持っていた文庫本を、事務机の上に開いたままうつ伏せに置くのが見えた。
なんてキレイな男なのだろう。
真由が呆気に取られて、どこか茫然としていると、彼がこちらの存在に気付いた様子で一瞬沈黙した。彼の顔が、次第に怪訝そうなものに変わっていく。
その時、小楠が先手を打つように、すかさず真由にこう言った。
「真由君、こちらがL事件特別捜査係の宮橋雅兎だ」