藤堂が、よく分からないなぁと困惑した表情を浮かべる。
「それ、どういう事ですか?」
「色々とあんだよ」
話を強制的に打ち切るように言って、三鬼は荒々しくタバコの煙を吸い込み、まだ半分ほどの長さで、それを隣にあった西洋風の灰皿に押し付ける。
「あのガキを見てろ」
親指を向けて言葉短く指示し、後ろポケットから携帯電話を取り出した。藤堂は納得いかないといった表情だったが、踵を返していく姿を三鬼は横目に留めて、携帯電話を耳に押し当てた。
「おい、そっちはどうだ?」
『中富陸と共に、デパートの飲食店コーナーにいます。サンサンビルの東です』
「与魄っつうガキの情報は、入っているか?」
『いいえ、ありません。目撃情報が一番集中しているのは、サンサンビルの西方面らしいですよ』
「西っつうと、やっぱ俺たちのところか……。今、中央を担当しているのは誰だ?」
『柏木さんです。与魄君の捜査にあたってもらっています』
三鬼は、滅多に仕事を共にする事がない、大先輩のベテランを思い起こした。刑事課に入りたての頃に指導にあたってくれた敏腕刑事で、小楠の右腕といっても過言ではない男である。
「それ、どういう事ですか?」
「色々とあんだよ」
話を強制的に打ち切るように言って、三鬼は荒々しくタバコの煙を吸い込み、まだ半分ほどの長さで、それを隣にあった西洋風の灰皿に押し付ける。
「あのガキを見てろ」
親指を向けて言葉短く指示し、後ろポケットから携帯電話を取り出した。藤堂は納得いかないといった表情だったが、踵を返していく姿を三鬼は横目に留めて、携帯電話を耳に押し当てた。
「おい、そっちはどうだ?」
『中富陸と共に、デパートの飲食店コーナーにいます。サンサンビルの東です』
「与魄っつうガキの情報は、入っているか?」
『いいえ、ありません。目撃情報が一番集中しているのは、サンサンビルの西方面らしいですよ』
「西っつうと、やっぱ俺たちのところか……。今、中央を担当しているのは誰だ?」
『柏木さんです。与魄君の捜査にあたってもらっています』
三鬼は、滅多に仕事を共にする事がない、大先輩のベテランを思い起こした。刑事課に入りたての頃に指導にあたってくれた敏腕刑事で、小楠の右腕といっても過言ではない男である。