そんな中、宮橋が上司の様子を目で追い、そっけなく肩を竦めた。

「やれやれ、ようやく連絡を入れてくれたのか。良かったな、三鬼。これで捜査も一歩進展だ」
「自分から保護を要請? おい宮橋、ちょっと待ってどこに行く気だ、つか一体どうなってんだよ?」
「そのままの通りだろう。いつも一緒にいたメンバーが次々に死んで、彼も自分が狙われていると知って警察を頼る事にした。そう考えるのが『一般的』で『妥当』だ」

 片手を振って歩き出しながらそう言って、小楠とは反対方向に進む彼を三鬼が追った。数秒遅れて、真由と藤堂も続く。

「『良かったな』という割には、ちっともそんな事はねぇって顔してるな? で、お前はそんな中、何をしようってんだ」
「連絡のあった少年については、お前か誰かがすぐにあたる事になるかもしれない。ひとまず僕は、確認のためにも早急に、智久少年の祖母に話を聞かなくちゃならない」
「祖母?」

 三鬼が胡散臭そうに顔を顰める隣で、宮橋は前を見据えたまま「彼と関わりの深い祖母が一人いるはずだ」と、確信に満ちた声で告げた。