雪弥は二秒半遅れて、その言葉を理解した。なんでそんなに嫌がっているんだよ、とまたしても表情が引き攣りそうになった。
「いやいやいやいや、急にそんな事を言われても」
「なんだ。取りたくない理由でもあるのか?」
問われて、雪弥は顰め面を作った。特に理由はないけれど、一方的に似合わないから取れと言われたら、それこそ取る必要はあるのかと思ってしまう。
顔を伏せて、兄から隠した表情に疑問を浮かべた。彼がコンタクト嫌いだというのは聞いた事がないし、そもそも付けるのも付けないのも、これといって自分自身には強い理由もないから、うまい返し言葉が見つからず首を捻る。
「堂々としていればいい。何故隠すのか、私には皆目見当もつかん」
そんな声が聞こえて、雪弥は「ん?」と直前まで考えていた事が、頭の中から飛んだ。訝しんで顔を上げると、感情の読めない蒼慶と目が合った。
「ウチの人間に、何かしら言われて予防を張った。もしくは、誰かにおかしいと指摘されたわけではないのだな?」
「いやいやいやいや、急にそんな事を言われても」
「なんだ。取りたくない理由でもあるのか?」
問われて、雪弥は顰め面を作った。特に理由はないけれど、一方的に似合わないから取れと言われたら、それこそ取る必要はあるのかと思ってしまう。
顔を伏せて、兄から隠した表情に疑問を浮かべた。彼がコンタクト嫌いだというのは聞いた事がないし、そもそも付けるのも付けないのも、これといって自分自身には強い理由もないから、うまい返し言葉が見つからず首を捻る。
「堂々としていればいい。何故隠すのか、私には皆目見当もつかん」
そんな声が聞こえて、雪弥は「ん?」と直前まで考えていた事が、頭の中から飛んだ。訝しんで顔を上げると、感情の読めない蒼慶と目が合った。
「ウチの人間に、何かしら言われて予防を張った。もしくは、誰かにおかしいと指摘されたわけではないのだな?」