「……あの、さっきも思ったんですけど、どうして兄さんは僕の上司を知っているんですか。付けているほうが溶け込みやすいだろうって言われて、わざわざ『別部署の同僚』が作ってくれたんですよ」
雪弥は、この特注のコンタクトを用意してくれた、総本部の研究班を思い出しながらそう答えた。ナンバー1や他の面々の話だと、どうも自分の瞳の『青』は明るさが過ぎるらしい。潜入捜査では目立つのだとか、なんとか。
蒼慶は忌々しいと言わんばかりの表情を浮かべると、ふん、と鼻を鳴らしてネクタイから手を離した。ようやく自由になった雪弥は、顔を顰めつつネクタイを直し、その様子を仁王立ちで見下ろしてくる兄を見つめていた。
「言っておくが、今のお前は、視界に入れるのも拒みたいほどに酷い」
「兄さん、いきなり真面目な顔でなんてこと言うんですか」
僕の何が悪いというんだ、と雪弥は頬を引き攣らせた。どうやらカラーコンタクトの話が続いているらしいと気付いたのは、蒼慶が続けてこう言ってきたからだ。
雪弥は、この特注のコンタクトを用意してくれた、総本部の研究班を思い出しながらそう答えた。ナンバー1や他の面々の話だと、どうも自分の瞳の『青』は明るさが過ぎるらしい。潜入捜査では目立つのだとか、なんとか。
蒼慶は忌々しいと言わんばかりの表情を浮かべると、ふん、と鼻を鳴らしてネクタイから手を離した。ようやく自由になった雪弥は、顔を顰めつつネクタイを直し、その様子を仁王立ちで見下ろしてくる兄を見つめていた。
「言っておくが、今のお前は、視界に入れるのも拒みたいほどに酷い」
「兄さん、いきなり真面目な顔でなんてこと言うんですか」
僕の何が悪いというんだ、と雪弥は頬を引き攣らせた。どうやらカラーコンタクトの話が続いているらしいと気付いたのは、蒼慶が続けてこう言ってきたからだ。