短くなった彼女の四肢が、バタバタと動かされて流血範囲を広げた。その様子はあまりにも異質なくらい悲惨すぎたが、鈍い光を宿した碧眼で見ている雪弥の表情に、変化はなかった。
元の長さまで引っ込んでいた彼の爪が、すうっと鋭利さを戻し始め、右手が持ち上がる。けれどその時、一つの銃声が鳴り響いて、雪弥はピタリと手を止めていた。
ゆっくりと音の発生元へ目を向けてみると、金細工の装飾がされた白い銃を、天井に向けて立っている蒼慶の姿があった。発砲されたばかりの銃口からは、薄らと煙が立ち昇っている。
「やめろ、雪弥」
蒼慶が、命令するように低い声でそう告げた。そこで一度言葉を切ったかと思うと、ぐっと目を細めてこう続ける。
「人格は違うが、彼女はアリスなんだぞ」
掠れたその声を聞いて、雪弥は再びアリスへと目を向けた。彼女は「畜生、殺してやる」と苦しそうに涙をこぼしながら、虫の息だというのに身をよじっていた。フリルのスカートはボロボロになり、大量の血液がその色をすっかり変えてしまっている。
元の長さまで引っ込んでいた彼の爪が、すうっと鋭利さを戻し始め、右手が持ち上がる。けれどその時、一つの銃声が鳴り響いて、雪弥はピタリと手を止めていた。
ゆっくりと音の発生元へ目を向けてみると、金細工の装飾がされた白い銃を、天井に向けて立っている蒼慶の姿があった。発砲されたばかりの銃口からは、薄らと煙が立ち昇っている。
「やめろ、雪弥」
蒼慶が、命令するように低い声でそう告げた。そこで一度言葉を切ったかと思うと、ぐっと目を細めてこう続ける。
「人格は違うが、彼女はアリスなんだぞ」
掠れたその声を聞いて、雪弥は再びアリスへと目を向けた。彼女は「畜生、殺してやる」と苦しそうに涙をこぼしながら、虫の息だというのに身をよじっていた。フリルのスカートはボロボロになり、大量の血液がその色をすっかり変えてしまっている。