殺せ殺せ殺せ……領域に入った、獲物だ、ならば殺していいはずだろう。嗚呼、憎いぞ。生きている『音』が不快だ。聞こえてくるその心臓の音を止めてしまえ。
――殺生の賽を振れ。我は【蒼緋蔵家の番犬】であるぞ。
雪弥の両目が、一際強く鮮やかな青い光を灯して浮かび上がった。その美麗な顔に、これまでにない強気な笑みが刻まれた直後、彼の身体は一瞬で柱の側面を踏み砕いて、前方へと飛び出していた。
目と鼻の先に迫り来る様子に気付いて、アリスがハッと顔を強張らせた。正面から彼女を確認した雪弥が、ロックオンしたまま口角を引き上げて、囁く。
やぁ獰戯、探したよ。またお前を殺してやろう――……
「ッちくしょうざけんな! ほぼ完全じゃねぇかよ!」
アリスが両腕を交差させ、その手の先から再び枝が吹き出した。巨木な幹となりながら急激に成長し続け、自身と雪弥を一気に飲み込む。それを見た蒼慶が、弟の名を呼ぼうと唇を開きかけが、次の瞬間に宵月と共にその顔を強張らせた。
――殺生の賽を振れ。我は【蒼緋蔵家の番犬】であるぞ。
雪弥の両目が、一際強く鮮やかな青い光を灯して浮かび上がった。その美麗な顔に、これまでにない強気な笑みが刻まれた直後、彼の身体は一瞬で柱の側面を踏み砕いて、前方へと飛び出していた。
目と鼻の先に迫り来る様子に気付いて、アリスがハッと顔を強張らせた。正面から彼女を確認した雪弥が、ロックオンしたまま口角を引き上げて、囁く。
やぁ獰戯、探したよ。またお前を殺してやろう――……
「ッちくしょうざけんな! ほぼ完全じゃねぇかよ!」
アリスが両腕を交差させ、その手の先から再び枝が吹き出した。巨木な幹となりながら急激に成長し続け、自身と雪弥を一気に飲み込む。それを見た蒼慶が、弟の名を呼ぼうと唇を開きかけが、次の瞬間に宵月と共にその顔を強張らせた。