つまり、兄さんの頭の中には、富裕層の家々の情報が、全部詰まっているのか……。
自分なりにざっくりと解釈して、思わず心の中で呟いた。すると、何故かジロリと流し目を向けられてしまった。
本能的に察知するような異能でも備わっているのだろうか、と本気で思いかけた雪弥の後ろで、明かりを持っている宵月が「口から出ておりました」と冷静に指摘した。緋菜と似通った部分を見た蒼慶が、「その癖、昔から直らんな」と忌々しげに言って、視線を前に戻す。
「まぁいい。時間もまだある――そうだな。三大大家で、最も肉弾戦に優れていたといわれているのが、龍神伝説の残る燕龍一族だ。彼らは竜神と共に邪神と戦ったとされ、『その身に龍を纏いて戦場を駆ける』という言葉が文献に残されている。聖剣伝説の架鵞宮一族が剣を用いて敵を貫き、燕龍一族はその身で敵を打ち滅ばした」
「ふうん? 三大大家の二つが、『架鵞宮』と『燕龍』なんですね。そういえば、どっかの大富豪の名前だったような気がしないでもないというか」
自分なりにざっくりと解釈して、思わず心の中で呟いた。すると、何故かジロリと流し目を向けられてしまった。
本能的に察知するような異能でも備わっているのだろうか、と本気で思いかけた雪弥の後ろで、明かりを持っている宵月が「口から出ておりました」と冷静に指摘した。緋菜と似通った部分を見た蒼慶が、「その癖、昔から直らんな」と忌々しげに言って、視線を前に戻す。
「まぁいい。時間もまだある――そうだな。三大大家で、最も肉弾戦に優れていたといわれているのが、龍神伝説の残る燕龍一族だ。彼らは竜神と共に邪神と戦ったとされ、『その身に龍を纏いて戦場を駆ける』という言葉が文献に残されている。聖剣伝説の架鵞宮一族が剣を用いて敵を貫き、燕龍一族はその身で敵を打ち滅ばした」
「ふうん? 三大大家の二つが、『架鵞宮』と『燕龍』なんですね。そういえば、どっかの大富豪の名前だったような気がしないでもないというか」