「お兄様って、意外と不器用なのねぇ……ちょっとびっくり」
「ごめん……。というかさ、男はあまりやらない事のような気がするんだけど」
「あら。蒼慶お兄様、とっても上手なのよ」
「!? ――げほっ」
「どうしたの? 大丈夫よ、ほら、私がやってあげるから」
緋菜がそう言って、アリスと共同作業で、雪弥の『花のネックレス』もあっさりと作り上げてしまった。
花飾りは、アリスが怖い夢を見ないように、という緋菜の提案で作る事になったものだった。それは蒼緋蔵邸の広大な庭先の一つである、広がった緑地帯の一部を覆い咲く白い花が使われた。
小さな白い花だった。名前はあるが、雪弥はそれを知らなかった。幼い頃に初めて見た時、どこかで見た事がある風景だと、そんな事を感じたのを覚えている。
雑草の一種だという良い香りがするその花で出来た飾りは、すべてアリスの小さな身体につけられた。一つだけ、いびつな繋ぎ目を作った花のネックレスを抱き寄せて、彼女は本当に嬉しそうな顔をして「雪弥様、ありがとう」と言った。
「ごめん……。というかさ、男はあまりやらない事のような気がするんだけど」
「あら。蒼慶お兄様、とっても上手なのよ」
「!? ――げほっ」
「どうしたの? 大丈夫よ、ほら、私がやってあげるから」
緋菜がそう言って、アリスと共同作業で、雪弥の『花のネックレス』もあっさりと作り上げてしまった。
花飾りは、アリスが怖い夢を見ないように、という緋菜の提案で作る事になったものだった。それは蒼緋蔵邸の広大な庭先の一つである、広がった緑地帯の一部を覆い咲く白い花が使われた。
小さな白い花だった。名前はあるが、雪弥はそれを知らなかった。幼い頃に初めて見た時、どこかで見た事がある風景だと、そんな事を感じたのを覚えている。
雑草の一種だという良い香りがするその花で出来た飾りは、すべてアリスの小さな身体につけられた。一つだけ、いびつな繋ぎ目を作った花のネックレスを抱き寄せて、彼女は本当に嬉しそうな顔をして「雪弥様、ありがとう」と言った。