「蒼慶様から、先に伝えておけと、もう一つ伝言をもらっております」
そこで宵月は一度言葉を切り、蒼慶の言葉を真似るようにこう言った。
「『侵入者は、人間ではないのかもしれない。だから気を付けろ』」
どうしてか、その言葉がサクリ、と雪弥の胸に小さく突き刺さった。
◆◆◆
庭園にある花柄の装飾がされたベンチに腰かけ、紗江子と亜希子が笑顔でお喋りを続けていた。暇を持て余したアリスが、先程から相手をしてもらっている緋菜を連れ出し、花壇で揺れている花の名前を尋ねている。
屋敷から連れ出された雪弥は、噴水の枠に腰を下ろしてその光景を眺めていた。そばのテーブルセットには、一緒に移動してきた桃宮勝昭と蒼慶が腰かけており、そこには宵月が当然のような顔をして立っていた。
「そうですか。アメリカの大学を飛び級とは、素晴らしいです」
そう言った桃宮が、目尻に柔らかな笑い皺を浮かべて、真っ直ぐこちらを見つめてきた。
そこで宵月は一度言葉を切り、蒼慶の言葉を真似るようにこう言った。
「『侵入者は、人間ではないのかもしれない。だから気を付けろ』」
どうしてか、その言葉がサクリ、と雪弥の胸に小さく突き刺さった。
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庭園にある花柄の装飾がされたベンチに腰かけ、紗江子と亜希子が笑顔でお喋りを続けていた。暇を持て余したアリスが、先程から相手をしてもらっている緋菜を連れ出し、花壇で揺れている花の名前を尋ねている。
屋敷から連れ出された雪弥は、噴水の枠に腰を下ろしてその光景を眺めていた。そばのテーブルセットには、一緒に移動してきた桃宮勝昭と蒼慶が腰かけており、そこには宵月が当然のような顔をして立っていた。
「そうですか。アメリカの大学を飛び級とは、素晴らしいです」
そう言った桃宮が、目尻に柔らかな笑い皺を浮かべて、真っ直ぐこちらを見つめてきた。