レストランでパスタを食べる際、少々面倒な食材があると「お箸をください」と、店員に平気な顔でいうぐらいの図太い神経の持ち主でもあったので、桃宮家の視線も気にならないでいた。どの料理も美味いな、とパクパクと口に運ぶ。
「なんだか、変わった方ですね」
桃宮勝昭が、自由な弟にピリピリしている蒼慶の気配を察して、フォローするようにそう言った。
「久々の家族と揃ってのお食事であると聞いておりましたが、緊張もされないで食べていらっしゃる」
「アレが自由すぎるだけだ。私としては呆れる」
蒼慶が舌打ちし、大きな声で嫌味ったらしく言った。さて、どう反応するのか、というように宵月がちらりと雪弥を見やって、一同の目も自然とそちらへ向く。
当の雪弥は、引き続き正面に見える大窓をぼんやりと眺めながら、口をもごもごと動かせていた。皿の上に取った料理を箸でつっついては口に運び、速くも遅くもないマイペースな調子で咀嚼して、着実に食べ進めて行く。
「なんだか、変わった方ですね」
桃宮勝昭が、自由な弟にピリピリしている蒼慶の気配を察して、フォローするようにそう言った。
「久々の家族と揃ってのお食事であると聞いておりましたが、緊張もされないで食べていらっしゃる」
「アレが自由すぎるだけだ。私としては呆れる」
蒼慶が舌打ちし、大きな声で嫌味ったらしく言った。さて、どう反応するのか、というように宵月がちらりと雪弥を見やって、一同の目も自然とそちらへ向く。
当の雪弥は、引き続き正面に見える大窓をぼんやりと眺めながら、口をもごもごと動かせていた。皿の上に取った料理を箸でつっついては口に運び、速くも遅くもないマイペースな調子で咀嚼して、着実に食べ進めて行く。