「まだ人の変死体は上がっておりませんが、蒼慶様は警戒すべきだと考えておりました。その矢先、こうして敷地内で起ってしまったわけです」
集中力がそれてしまった雪弥に、宵月がそう話しを続けた。
「そもそも、そういった異常が蒼緋蔵邸(ここ)で確認された事は、これまでありませんでした。しかし出てしまった以上、原因を突き止めるまでは、亜希子様と緋菜様の安全もお約束出来ない状況でもある、という事です」
「早急に解決すべきだと、二人は考えているわけですね」
雪弥は考えつつ、相槌を打った。敷地の外で見られた動物の変死体が、殺害予告として使われているのだとしたら悪質だろう。よほど腕に自信がある暗殺者の説も浮かぶが、この状況だと、狙われている対象が数人、もしくは数組になる。
それを察したように、蒼慶がこちらを見てこう言った。
「私が次の当主として近々就任する事を公表した時期と、桃宮前当主から来訪の予定を告げられたタイミングは、ほぼ同時だ」
集中力がそれてしまった雪弥に、宵月がそう話しを続けた。
「そもそも、そういった異常が蒼緋蔵邸(ここ)で確認された事は、これまでありませんでした。しかし出てしまった以上、原因を突き止めるまでは、亜希子様と緋菜様の安全もお約束出来ない状況でもある、という事です」
「早急に解決すべきだと、二人は考えているわけですね」
雪弥は考えつつ、相槌を打った。敷地の外で見られた動物の変死体が、殺害予告として使われているのだとしたら悪質だろう。よほど腕に自信がある暗殺者の説も浮かぶが、この状況だと、狙われている対象が数人、もしくは数組になる。
それを察したように、蒼慶がこちらを見てこう言った。
「私が次の当主として近々就任する事を公表した時期と、桃宮前当主から来訪の予定を告げられたタイミングは、ほぼ同時だ」