すると、こちらに向けられていた宵月の顔面が、より真顔になった。

「雪弥様。なんですかその気持ち悪――あなた様と組み合わせると、更にビジュアルに違和感を覚えるストラップ人形は?」
「え? 『白豆』ですけど」

 雪弥は、きょとんと視線を返して、そう答えた。言い直す前の宵月の反応が気になったが、そういえば『飼う』のは初めてだったから、それで訊いてきているのかなと思った。

 説明してあげた方が優しいだろう。しかし、手短に伝えられるような言葉がすぐに浮かんでこない。どうまとめたものだろうかと考えていたら、しばしの停止状態でいた宵月が、どうしてかそっと顔をそらして、片手で押さえた。

「…………その頭髪もないマスコットを、どうお思いなのでしょうか」
「なんか、言い方が変じゃないですか? まぁ、ほら、じっと見ていたら結構可愛いでしょう」
「わたくしは、雪弥様の将来が心配です」
「なんで将来を心配されてるんだよ。それに、僕はもう立派な大人だからな」